リクルートの中の人のブログ

リクルートでWEBの事業責任者兼グループマネージャーしてます。趣味で勝手にUI改善・グロースハックについて考えています。リクルートで学んだこと、キャリアや働き方、コミュニケーションについても暇なときに書くよ。

CVRを上げるために施策の優先順位をどうつけるべきか?

 WEBプロダクトでUI/UX改善によるグロースハックを仕掛けようと思った際に、どの指標を上げるのかの選定はとても大事。
例えばですが、
流入
・CVR?
・(ECサイトとかなら)単価?
・新規会員数?
・リピート会員数?
などなど・・・。
この辺はビジネスモデルや事業フェーズ、プロダクト状況、競合環境などによってどこをあげるべきかは変わるのですが、今回は多くの人が追っているであろう「CVR」を上げたい!となったときにどうやって各施策に優先順位をつけるか??UI/UX改善によるグロースハックを仕掛ける上でとにかく大事な、優先順位について考え方をまとめました。
 
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はじめに

CV数を上げるために、以下の2つの改善があったとしたときに、CVR改善としてインパクトが大きいのはどちらでしょう??
A:TOPページにてCVRを110%改善しました!
B:フォーム入力画面にてCVRを110%改善しました!
なんか、こう聞かれると「なんとなく、フォームのほうかな・・・」とか思ったりしません??その「なんとなく」を言語化してみます。
 
 

そもそも「CVR110%改善」ってなんの数字がどう110%になったのか??

CVR=CV数/流入数 のため、CVRが110%になるには、「①CV数が110%に増える」か「②流入数が90%に減るか」のどちらかしかありません。が、②はCV数が増えていないので、①のケースのみ考えます。
 
先程あげたA、Bの例の詳細を見ると例えば、以下のような状態だったとします。(UUで考えてますが、SSに置き換えてくれてもなんでも良いです)
画面
流入UU数
この画面経由CVUU数
CVR
A:TOPページ
10,000
10
0.1%
B:フォーム入力
1,000
100
10%
AのTOPページの方が流入UU数は10倍近くおり、逆に画面経由CVUU数はBのフォーム入力の方が10倍いますね。
としたときに、それぞれのページで110%CVRが改善したときに、何人CVUU数が増えるのか?計算してみましょう。
画面
流入UU数
この画面経由CVUU数
CVR
110%改善後この画面経由CVUU数
施策前/施策後
CVUU数
A:TOPページ
10,000
10
0.1%
11
+1
B:フォーム入力
1,000
100
10%
110
+10
このようになります。
ここで気がついたと思いますが、同じ110%改善でも最終的に増加したCVUU数はAとBで10倍違うのです。この差はなぜ生まれたのか?
これが110%の改善が掛けられる元の数字になった「この画面経由のCVUU数」の部分です。つまり、経由CV数が多い画面で改善施策を打てば打つほど事業に対してのインパクトは大きくなるのです。
 

流入UU数とCVUUのギャップもちゃんと見ましょう

ただ注意してほしいのはこういうとき。
画面
流入UU数
この画面経由CVUU数
CVR
A:TOPページ
10,000
10
0.1%
B:フォーム入力
1,000
100
10%
C:フォーム確認
110
100
91%
よし!経由CVUU数の多いページから改善していくぞ!つまり・・・BorC→Aの順番だ!となると思うのですが、流石に違和感ありますよね。笑
そうです、Cの画面は既にCVRが91%もあり、この画面で110%改善するとCVRが100%を超えてしまうので、実現不可能なのです。
つまりCVUU数を見ると同時に「現状CVRが何%ぐらいで、このCVRに改善の白地があるのか?=流入UUとCVUUの間に刈り取り白地となるUUがどれだけいるのか?」を適切に捉えることが大切です。
 
 

まとめ

まとめると、
①経由CV数の多い画面を並べること
②その上で改善の白地の見極め(流入数とCV数の間にギャップはどれだけあるのか)
の順番で改善の優先順位をつけるべきだと考えます。
 
これらを踏まえた上であとは、
・各画面の過去からの成熟度合い(数年掛けて改善されつくされており、改善がしづらくなっていないか)
・案の品質(他社で大きく改善成功している実績がある、確実に数字を上げる見込みがあるなど)
などを考慮して、最終的な優先順位をつければよいのではと思います。
 
 
以上です!
改めて言語化してみると自分の勉強にもなっていいですね。
 
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